セレン(Selenium)は必須微量元素の一つで、体内の多くの重要な生化学的プロセスに関与しています。特に、抗酸化酵素の活性部位に存在し、体を自由基から守る役割を果たします。セレンは主にセレノプロテインとして機能し、これにはセレノシステインが含まれますが、特に多様な分類はありません。
日本における推奨摂取量
- 男性: 成人男性で1日あたり約35マイクログラム
- 女性: 成人女性で1日あたり約30マイクログラム
これは妊娠中や授乳期の女性では増加し、それぞれ50マイクログラム、60マイクログラムと推奨されています。
日本における平均摂取量
日本人のセレンの平均摂取量は、成人男性で40マイクログラム、成人女性で35マイクログラム程度です。この数値は推奨摂取量をほぼ満たしていることを示しています。
世界との比較
世界平均と比較すると、日本人のセレン摂取量はやや低めです。特にセレンが豊富な土壌を持つ地域(例えば、アメリカ合衆国の一部)では、摂取量がもっと高い傾向にあります。
基本的な働きとメリット
セレンは強力な抗酸化物質としての働きを持ち、細胞の損傷を防ぎ、老化防止、免疫機能の向上、心疾患やがんのリスクを低減する可能性があります。また、甲状腺機能の正常化にも不可欠です。
特にセレンが必要な人々
- 甲状腺機能障害を持つ人
- 免疫系のサポートが必要な人(例:HIV感染者)
- 高齢者や抗酸化物質の需要が高い人
効果的な食品
- ブラジルナッツ: セレンが非常に豊富で、一粒で成人の推奨摂取量を超えることがあります。
- 海産物(マグロ、カキ): 海の魚や貝類にもセレンが豊富に含まれています。
- 肉類(特に臓器肉): レバーなどの臓器肉にはセレンが含まれています。
- 卵: 日常的な食品で手軽にセレンを摂取できます。
- 全粒穀物: 小量ながらセレンを供給します。
似た効果を持つ栄養素との比較
- ビタミンE: これも強力な抗酸化物質で、セレンと共に働いて体を保護します。
- ビタミンC: 自由基を除去する効果があり、セレンと同様に免疫機能をサポートします。
- 亜鉛: 免疫機能のサポートに寄与し、セレンと共通する機能があります。
過剰摂取による影響
セレンの過剰摂取は、セレン中毒を引き起こす可能性があります。これには脱毛、爪の異常、悪心、疲労感、神経障害などが含まれます。
摂取不足による影響
セレン不足は免疫不全、甲状腺機能障害、心筋症のリスクを高める可能性があります。特に甲状腺機能に重大な影響を及ぼすことが知られています。
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