ビタミンB5、またはパントテン酸は、水溶性ビタミンの一種で、体内の多くの化学反応に不可欠です。特に、エネルギー産生のための栄養素の代謝や、脂肪酸の合成に関与しています。パントテン酸は「すべての場所にある」という意味のギリシャ語から名付けられており、ほとんどの食品に含まれていることからその名がつけられました。
日本における推奨摂取量
- 男性: 成人男性で約5.5 mg/日
- 女性: 成人女性で約5.0 mg/日
- 妊婦や授乳婦はそれぞれ6.0 mg/日、7.0 mg/日が推奨されます。
日本における実際の平均摂取量
日本人の平均的なパントテン酸摂取量は、一般成人で1日あたり約5~6 mgとされており、通常の食生活で不足することは少ないと考えられています。
世界との比較
世界的に見ても、ビタミンB5の摂取量は概ね推奨量に近いかそれを超えており、特に欠乏が指摘される地域は少ないです。
概要と基本的な働き
ビタミンB5は、コエンザイムAの合成に必要であり、アミノ酸、脂質、炭水化物の代謝に必須です。このため、エネルギー生成に寄与し、健康な肌、髪、眼、肝臓の機能維持にも関わります。
特に必要な人
- 高ストレスを抱える人
- アクティブなスポーツを行っているアスリート
- 妊娠中または授乳中の女性
効果的な食品
- 鶏肉 – 肉類の中でも特にパントテン酸が豊富で、エネルギー代謝を助ける。
- アボカド – 高い栄養価があり、心血管の健康にも良い。
- ブロッコリー – 緑黄色野菜の中でも優れたパントテン酸源。
- 全粒穀物 – 精製されていない穀物はビタミンB群が豊富。
- 卵 – 特に黄身にパントテン酸が含まれており、健康な皮膚と髪に貢献。
よく似た効果の栄養素
ビタミンB群の他の成分、例えばビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)もエネルギー代謝に関与し、似たような健康上のメリットを提供します。
過剰摂取による影響
ビタミンB5は水溶性で体外に排出されやすいため、過剰摂取による毒性の報告は非常にまれです。しかし、非常に高量を摂取した場合、軽度の下痢や胃腸障害が生じることがあります。
摂取不足による影響
ビタミンB5の欠乏は非常に珍しく、発生した場合は疲労感、睡眠障害、胃腸の不調、免疫機能の低下などの症状が現れる可能性があります。しかし、通常の食生活では欠乏は考えにくいです。
コメント